研究成果を発表しました:Full-length 16S rRNA gene amplicon analysis of human gut microbiota using MinION™ nanopore sequencing confers species-level resolution

当部門を中心とするグループによる研究成果がBMC Microbiology誌で公開されました。
本論文は関西医科大学産科学・婦人科学講座、HORAC/IVF大阪クリニック、大阪大学免疫学フロンティア研究センター実験免疫学、京都府立医科大学消化器内科学教室、東海大学医学部情報医学生物学研究室、国立遺伝学研究所集団遺伝研究室、広島大学ゲノム情報科学研究室との共同研究によるものです。

Full-length 16S rRNA gene amplicon analysis of human gut microbiota using MinION™ nanopore sequencing confers species-level resolution
Yoshiyuki Matsuo, Shinnosuke Komiya, Yoshiaki Yasumizu, Yuki Yasuoka, Katsura Mizushima, Tomohisa Takagi, Kirill Kryukov, Aisaku Fukuda, Yoshiharu Morimoto, Yuji Naito, Hidetaka Okada, Hidemasa Bono, So Nakagawa & Kiichi Hirota
BMC Microbiology (2021) 21:35
https://doi.org/10.1186/s12866-021-02094-5

常在微生物が宿主の生理機能や疾患の発症と深く関わることが明らかとなり、生体内の微生物群の全体像を理解するため、より精度の高い解析技術の必要性が高まっています。我々はナノポアシークエンサーMinIONを用いて、その最大の利点であるロングリードシークエンシング技術を活用し精度の高い細菌同定法の確立に成功しました。16SリボソームRNA (rRNA)遺伝子の全長配列を解読することにより、幅広い種類の細菌について従来困難であった種レベルでの高解像度解析を行うことが可能となります。

本研究では細菌16S rRNA遺伝子の全長領域を標的とするPCRプライマー配列の最適化を行い、よりバイアスの少ない細菌同定が可能となりました。さらにシークエンシングライブラリ作製法の改善により、サンプル調製に要する時間を短縮するとともに手技の簡便化を実現しました。体内で最も複雑な微生物叢を形成している腸内細菌を対象とした解析においては、従来のショートリード型シークエンサーによる大規模解析と比較して、より短時間で正確な細菌プロファイリングが可能であることを示しました。本技術は感染症の迅速診断に加えて、常在微生物叢と宿主の生理・病態との関連解析など疾患の発症メカニズムの理解や治療法開発に大きな役割を果たすことが期待されます。

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